詐欺師の見分け方を公開!ダボスを騒がす「肩書き詐欺師」たちの手口【林直人】
異能の起業家・林直人 「ダボス会議」裏側潜入記 #07

スイスのダボスで毎年1月に行われる「ダボス会議」。その名前は教科書にも載っているぐらい有名だ。しかし、そこに“オモテ”と“ウラ”があることは知られていない。異能の起業家・林直人氏がダボスからの現地潜入レポート!全10回を集中連載する。第7回では、グローバル危機時代における富裕層の戦略と、その中での日本の立ち位置について考察する。
■日本の「隠れた強み」
日本がダボス会議で見せる「隠れた強み」とは何か。それは、世界各国が新たな発展模索する中で、先進国の知識や制度を熟知していることだ。とくに医療や薬品といった分野では、圧倒的な知識量を武器に、戦略的なビジネス展開を進めている日本の経営者は目立つ。人口爆発が進むインドやインドネシアでは、子供の数が多く、妊娠や出産関連の医療ニーズが急増しているが、こうした国々に対して、最先端の医療制度や製品をどう展開していくかが、今後の大きな課題となっている。
資本家たちの戦略的なビジネス展開の中でも興味深いのが、危機管理としての資産移転の話だ。戦争が起きるリスクを前提に、アメリカなどで「保険」として別荘を購入するという流れができつつある。
1億円で別荘を買って、万が一の事態にも即座に避難できる場所を確保する。このようなプランを実行できるのは、二桁億円単位の資産を持つ超富裕層だけだ。彼らはすでに行動を開始している。
教育面でも同様の動きが見られる。年間1200万円を超える学費がかかるインターナショナルスクールへの需要が増加しており、資産家たちが戦略的に次世代の育成を視野に入れていることが伺える。現に、私の教育事業でもイギリスの名門校への留学を希望する超富裕層家庭が急増している。
しかし、これは単なる資産家たちの生存戦略にとどまらない。むしろ「戦争リスク回避」や「次世代教育」など、富裕層が抱える不安をビジネスモデルに昇華させる動きが加速している。戦争が起きたときに、いち早く安全な地域へ避難するためには、巨額の資産か、または特殊なスキルが必要だ。少なくとも二桁億円の資産がなければ、選択肢は限られる。開発途上国での一時的な避難しか許されないという現実がある。
こうした現実を前に、私たちは何を目指すべきなのか。グローバル化の時代が終焉を迎え、国際的な緊張が高まる中で、資産と知識を持つ者が新たな安全地帯を求めて動き出している。もはや単なる富の蓄積ではなく、リスク分散としてのビジネス拡大が問われているのだ。ダボス会議の裏側にある資本と生存戦略――そこに潜む真実は、想像以上にシビアである。
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